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JRFUメンバーズクラブ会報誌「JAPAN ! JAPAN !」第81・82合併号

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「ハーフタイム」~村上晃一の会報誌こぼれ話~

ラグビーワールドカップ2019™(RWC)日本大会は、日本代表が初の決勝トーナメント進出を果たし、期待以上の盛り上がりを見せた。JRFUメンバーズクラブも大会期間中(2019年9月20日~11月2日)に総計10,057人の新規会員の入会があり、10月23日(水)には総会員数が4万人を超え、その後、5万人を突破した。というわけで、この会報誌も5万人以上のみなさんが手にとることになっている。

会報誌は原則として隔月発行だが、RWC特集の今回は、81・82号の合併号となった。日本代表の試合については、一目見れば、記憶の中の映像が動き出すような写真を軸に掲載した。写真を選びながら、どの試合にも印象的な場面があり、日本代表の成し遂げたことの偉大さを再確認した。細部については誌面をご覧いただくとして、今号でインタビューした久保修平レフリーについて書いておきたい。

久保さんは、マッチオフィシャル(審判団)の一員としてRWCに参加。4試合でアシスタントレフリーを務めた。レフリー(主審)12名、アシスタントレフリー(線審)7名、TMO(映像判定係)4名からなるマッチオフィシャルは「チーム21」と名付けられた。参加20チームの次の「チーム」という意味だ。10日前には東京のホテルで集合し、日光の滝行や、太鼓体験など、さまざまなチームビルディングで結束を固めた。

世界のトップレフリーの集団だが、大会序盤のレフリングが安定せず、ワールドラグビーから『レフリーのパフォーマンスが一定基準に達していない』という声明が出された。この時は「チーム21」のメンバーでじっくりと話し合ったという。レフリーも選手同様プレッシャーのなかでの好パフォーマンスを求められるのだ。

久保さんにはRWC前後のトークイベントでも、よく話を聞かせてもらった。「レフリーは試合をコーディネートする立場」という旨の話をされていた。ラグビーのレフリーは警察官ではない。公平に、安全に、お客さんにも理解できるように試合を進行する役目を担う。事前にチームの特徴を理解し、選手たちを邪魔しないように立ち位置も考える。厳格であるだけではなく、優しさや愛情も必要なのだ。

九州に住むラグビーファンの方から、以前、久保レフリーのエピソードを教えてもらったことがある。ゴールデンウィークに福岡県宗像市グローバルアリーナで開催される高校生の世界大会「サニックスワールドラグビーユース交流大会」でのこと。そのラグビーファンの方が、大会中に知り合ったニュージーランドのサポーター(出場選手のご両親)と帰路博多駅で出会った。
翌日ニュージーランドに帰るため、博多から東京まで新幹線移動をするつもりのようだが、乗り方などが分からず苦労していたという。英語で上手く説明してあげられずに困っていたところに、久保レフリーが通りかかった。面識はなかったが声をかけ事情を話すと、自身の新幹線の出発ぎりぎりの時間まで駅員さんとの間に立って対応し、最後は走ってホームに向かったという。「お礼を言う時間もありませんでした」とそのラグビーファンの方は久保さんの対応に感謝しきりだった。久保レフリーのインタビュー、ぜひご一読ください。

今号の表紙はRWC特別バージョンだ。最後には選手たちの屈託のない笑顔も入れている。しかし、稲垣啓太選手だけはそうはいかない。RWCで誰よりも有名になった「笑わない男」だからだ。80号の本欄で稲垣選手の笑顔について言及したことを、今さらながら悔いている。最後に書いておきたい。稲垣啓太は笑ったことないですよ。

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