日本代表スコッドの選手を聞いたときは、素直に嬉しかったですね。ただ、まだ正式な代表に選ばれたわけではなかったので、これから厳しいセレクションがあるなぁと漠然と思っていました。その頃、ケガで試合に出られていなくて、選手権までに、チームに合流できるようにトレーニングしていました。まだ、あの時点では、チームのことを考えていましたね。
僕は、今シーズンから、アウトサイドセンターとして試合にコンスタントに出られるようになったんです。それは、内側にライアン・ニコラス(サントリーサンゴリアスCTB)という選手がいたからだと思っています。清宮さん(サントリーサンゴリアス監督)からは、ディフェンス、特にCTBというポジションのディフェンスを言われていました。エル(アラマ・イエレミア前サントリーサンゴリアスコーチ)からもそう言った部分を指摘されていました。
シーズン当初は、抜かれる場面もありましたが、ライアンとのコミュニケーションが取れだしてからは、抑えられるようになってきました。ディフェンスに関しては、シーズンが深まってくるにつれて、自信になりましたね。そういった部分が評価されたのかも知れません。
代表スコッドとして行った3月末のフィットネスチェックの出来は、悪かったです。特にマルチステージフィットネスが。代表はだめだと思いました。このとき初めて、JKと会ったんです。第一印象は“でかっ”と思いましたよ(笑)。その時は、握手だけで、「ヨロシク」って。
その翌々日ぐらいに代表のメンバー発表があって、最初は、武田GM(武田三郎 サントリーサンゴリアスGM)に聞いたんです。なんとなく声で聞くと実感が沸かなくて、その後、新聞とかインターネットで活字になっているのを見て、実感が沸いてきました。やっとスタートラインに立ったんだなって思いましたね。
僕は、人見知りというか、遠慮する癖があるんです。高校・大学・社会人と最初は遠慮してチームに入って行ったんです。4月の合宿は、凄いメンバーばかりの中に自分がいるということで嬉しかったんですが、絶対に遠慮しないで行こうと決めていました。いいアピールが出来たと思っています。
練習では、ミック(マイケル・バーン 現:ニュージーランド代表スキルコーチ)の細かいスキルやキック、グラント・ドゥーリーのディフェンスの考え方、JKのキックパスなど習ったことがないものや、影響を受けたり、刺激になったものがたくさんありました。僕にとっては、受け入れやすくて、新鮮でしたね。
初キャップとなった韓国戦は、国歌斉唱のときに、日本代表の誇りを感じました。これまでのユースや7人制とは全く違う感覚でした。試合には、いい緊張感を持って入れました。僕は、試合のことを考えたら、寝られなくなってしまうので、前日は、何も考えずに寝ました。
あの日のあの試合は、忘れられない瞬間でした。初キャップということで、ジャージを2枚もらったんです。香港戦の後に少し時間ができたので、長崎に帰って、高校の先生に1枚渡してきました。あと一枚は実家へ持っていきました。先生も、両親も本当に喜んでくれました。
5月のクラシック・オールブラックス戦は、夢のような80分間でした。ラグビーを始めた小学生の頃見ていたロムーとかがいて、幸せでした。ニュージーランド国歌で“ぶるっ”ときました。何なんでしょうね。圧力なのか、感動なのか。嬉しさなのか。
あの試合は、あまりボールを持てませんでした。全体的な圧力が凄かったですね。でも、世界レベルのチームに対してもDFの部分は止められた。これは僕たちの自信になると思います。相手のオフロードの上手さとかは、日本との差を感じました。この時期に、このレベルと試合が出来て良かったと思っています。
パシフィック・ネーションズのメンバーに選ばれたときも、またスタートラインに立てたと思いました。僕はやっぱり一歩ずつ一歩ずつです。
ただ、JKが言うように、この大会が春シーズンのピークなので、試合に出たら自分の責任を持ってプレーしようと思っていました。そんな中で迎えたフィジー戦ですが、自分的には、もっといけたかなと思います。ボールを持つ機会も少なかったのですが、それでも、フェーズに顔を出してもらっても良かったと思いますし、もっといろんなことができたなと思っています。やはり、ターニングポイントは後半最初のキックオフですかね。あそこでしっかり固めて、日本のいつものプレーができれば、あのような結果にはならなかったと思います。でも、これで、本大会で当たるフィジーの強さはある程度分かりました。次は、絶対に負けません。
JKとのミーティングでは、アタックのフォローのアングルを評価してくれています。足りない部分としては、ラックやタックルの入り方の部分。自分でも分かっているのですが、僕は少し頭を下げて入る癖があるんです。そこを直せば、もっと前が見えるよと言われています。
やっぱりJKを男にしたい。JKからは、「俺を信じて付いて来れば勝てる」みたいな熱い気持ちが伝わってきます。日本と日本人を理解してくれているのも非常に感じます。
ワールドカップに関しては、まだメンバーが決まっていないので何とも言えませんが、この大会で自分らしいプレーをして、30人に残れるように自分を信じて頑張りたいと思います。僕にとってのワールドカップは、“憧れ”です。印象に残っているのは、前回大会(2003年オーストラリア)のスコットランド戦。あの時の日本代表は、スコットランドに勝てると思わせてくれた。低く、低くしつこくタックルが、大きな相手に通用すると証明してくれた試合でした。あの試合を見て、僕もあの場所に立ちたいと思いました。
僕は日本代表として、試合を見た子供たちやラガーマンが、自分も日本代表になりたいと思ってくれるようなプレーヤーになりたいんです。ファンの皆さんには、見に来たことを後悔させるような試合は、絶対にしませんので、会場に来て、真っ赤にスタンドを染めて応援してください。
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