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JRFUメンバーズクラブ会報誌「JAPAN ! JAPAN !」第87号

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「ハーフタイム」~村上晃一の会報誌こぼれ話~

87号の表紙も前号に続いてセブンズ日本代表の選手だ。東京オリンピック・パラリンピックは延期になったが、男女セブンズの選手たちは前向きな準備を始めている。今回は女子セブンズ日本代表(サクラセブンズ)の3選手に登場してもらった。取材は各人の部屋からオンラインで行った。3選手とも会報誌は初登場。堤ほの花選手と、鈴木彩夏選手はこの春、大学を卒業してラグビーへの理解ある企業に就職し、松田凜日選手は日本体育大学に進学した。

それぞれの新天地でオリンピックを目指す明るいインタビューだった。全員、ラグビーを始めたきっかけは、ラグビー経験者のお父さん。これは男女関係なく「ラグビーあるある」。堤選手は「辞めるとお父さんが可哀想だから」とラグビースクールを辞めなかった。微笑ましい。鈴木選手は「ボールを持って走ればいい」と言われたら考えが甘かったと思ったそうだ。これも、「ラグビーあるある」。でも、みんなラグビーが好きになった。そして、今や日本を代表する選手である。それぞれの評価を聞いてみると「ホノカは安心感、サヤカは働き者、リンカは日本の宝」だという。

松田凜日選手の父・松田努さんは、関東学院大学、東芝、日本代表で活躍し、ラグビーワールドカップメンバーに4大会連続で選出された名フルバックだ。筆者も松田努さんが大学生の頃、タックルを次々にかわして抜け出してくる伸びやかなランニングに驚かされた。東芝でも長らく活躍し、42歳までトップリーグでプレーした。それなのに、「お父さんの現役時代は「試合会場には行っていたのですが、鬼ごっことかをしていたので覚えていない」というのが面白い。

松田努さんに凜日選手について聞いてみたことがある。「小学3年生の頃、ラグビーやってみる?と連れて行ったら、トライもできてすごく楽しかったようで、過呼吸になるくらいテンションが上がっていました」。突進力はサクラセブンズの中でも屈指で、走り方はお父さんそっくり。「それ、よく言われます。顔もそっくりで」。実は髪型も似ている(お父さんは長髪だった)。「あれは、恥ずかしい」(凜日選手)。

無駄なく要点だけを話す凜日選手の簡潔なコメントを聞くうち、ふと日本代表キャップ79の名CTB元木由記雄さんを思い出した。元木さんもそのまま文字になるような簡潔なコメントで知られた。「日本の宝」と言われる通り、大きく育ってほしい。そして、サクラセブンズのオリンピックでの活躍も楽しみに待ちたい。

今号は、ジャパンラグビー トップリーグの新人3名が登場する。巻末インタビューに登場する岸岡智樹選手(クボタスピアーズ)は数学が得意。東海大学付属仰星高校時代は、3年間、ずっと成績はオール5。早稲田大学では教育学部数学科で学んだ。理系のラグビー選手と言えば、元日本代表キャプテンの廣瀬俊朗さん(慶應義塾大学理工学部機械工学科)、日本代表最多キャップ保持者の大野均さん(日本大学工学部機械工学科)がいるが、数学科は珍しい。岸岡選手はトライへの道筋を数学の証明問題を例にとって語った。彼がこれからどんな試合展開を組み立て、チームを勝利に導いていくのか楽しみだ。

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