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JRFUメンバーズクラブ会報誌「JAPAN ! JAPAN !」第78号

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「ハーフタイム」~村上晃一の会報誌こぼれ話~

78号は待望のリーチ マイケル選手のインタビューが実現した。ラグビーワールドカップ2019™日本大会(RWC)に向け、練習の合間を縫ってのインタビューは力強い言葉が多かった。内容は誌面を読んでいただくとして、取材者として興味深かったのは、15歳で来日した頃の話だ。「ニュージーランドから札幌山の手高校に留学したとき、日本のラグビーに驚いたということはありますか?」と聞いてみると、「来日して一生懸命ラグビーに取り組んでいる人が多いことにびっくりしました。僕はニュージーランドより、日本の方がラグビーを頑張っていると思いました。ニュージーランドではラグビーは遊びのひとつだし、シーズンも本格的なのは半年です」と答えた。

リーチ選手が日本に来るきっかけを作ったのは、現在、神戸製鋼コベルコスティーラーズに所属しているイーリ ニコラス選手だ。幼なじみで、先に札幌山の手高校に留学していたイーリ選手が、ラグビー部の佐藤監督から「もうひとつ枠があるのだけど、誰かいませんか?」と問われて、リーチ選手に声をかけた。リーチ選手は早々に手続きを済ませて来日した。以前、リーチ選手の家に日本の高校からラグビー留学に来た選手がいて、ラグビーへの深い知識を持ち、プレーも上手く、あこがれたのだという。ラグビー王国ニュージーランドの少年が、日本をそのように見るのは不思議な気がするが、真面目なリーチ選手らしいエピソードだ。だからこそ、日本の高校での連日の厳しい練習に耐えられたのだろう。

そのリーチ選手は今回の取材中、逆に「村上さんは、長くラグビーの取材をしていますよね。いまの日本代表に何が必要だと思いますか?」と質問してきた。以前にも同じようなことがあった。筆者だけではなく、多くの記者に逆質問をしているという。このあたりも、常に多くの人の意見を聞き、悩み、考え抜くリーチ選手らしさだと感じる。リーチキャプテン率いる日本代表がRWC本番でどんなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。

78号はこのほか神戸製鋼の日和佐篤選手、山中亮平選手の対談、サントリーサンゴリアスの尾崎晟也選手のインタビューがある。日和佐選手の落ち着いた語り口は若い頃からだが、山中選手はプレーも話も逞しくなったと感じる。日本代表選手に失礼な言い方だが、高校生の頃から取材しているのでお許しいただきたい。昨年から本格的に取り組むフルバックで実力を発揮し、サンウルブズでのプレーも堂々たるもの。ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチには、「さまざまなポジションができる選手は、日本代表にとってもありがたい」と言われているという。2015年はかなわなかったRWC出場に向けて着実に前進している。

尾崎選手はサントリーに入って、練習の振り返りをしっかりすることに感心した、という話をしている。最近、ほかの場所でも練習の予習復習の話が出た。世界のトップ選手はこれを欠かさない。なんのための練習で、何を得たいのか、そして、その練習で何ができて何ができなかったのか、予習復習の繰り返し。この話を聞くたび、現役時代に漫然と練習することが多かった筆者は反省しきりなのである。

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