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JRFUメンバーズクラブ会報誌「JAPAN ! JAPAN !」第47号

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「ハーフタイム」~村上晃一の会報誌こぼれ話~

今号の巻頭インタビューは、東京都府中市にある東芝ブレイブルーパスのクラブハウスにて行われた。2階の広間でのインタビュー。その最中、冨岡鉄平コーチが現れた。冨岡さんといえば、廣瀬選手が2007年から2010年度にキャプテンを務める以前、5年間にわたって東芝を率い、トップリーグ3連覇など数々のタイトルを勝ち取ったカリスマ・キャプテンである。その冨岡コーチが廣瀬俊朗取材風景を見て言った。「その距離感、それでいいの?」――。


冨岡コーチが気になったのは、インタビュアーと廣瀬選手の距離である。話しているところも撮影するため、ちょっと離れたところからインタビューしていたのだ。さすがにキャプテン時代に数々の取材をこなし、含蓄のあるコメントで取材者をうならせてきた冨岡さんである。「ああ、撮影しているわけね、それならいいんだけど」。と、細部に気を配るコメントに廣瀬選手と一緒に笑ってしまった。

冨岡さんといえば、かっこいいコメントで知られていた。たとえば、連戦連勝の東芝が三洋電機(現パナソニック)に敗れたとき彼は記者会見で言った。「三洋さんには勢いがありましたが、ウチは勢いだけのチームにやられるほどヤワな練習はしていないし、この試合に向けてしっかり準備してきました。ケガ人はいたけれど層の厚さにも自信がある。素直に、きょうの力は三洋さんが上回っていたと思います。非常に高いモチベーションを頂けたことを感謝しています」。相手を称え、自分達の努力にも胸を張る。リーダーとして完璧なコメントだと思う。

一方、冨岡さんの後継者として4シーズンにわたってキャプテンを務めた廣瀬選手は、穏やかに、自然体でチームを引っ張った。その求心力は現在の日本代表キャプテンとしての実績が証明している。冨岡さんは試合前のロッカールームでのコメントを決して準備しなかった。その場で感じたことを話し選手を鼓舞した。廣瀬選手のその背中を見て学んだのだろう。キャプテンらしいキャプンではなく、自分らしいキャプテン像を作り上げてきた。今号の表紙撮影と同じ空間に廣瀬選手に多大な影響を与えた冨岡さんがいた。会報誌の価値が一段と上がった気がした。

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